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特集!上賀茂神社 競馬(くらべうま)その2!!

賀茂競馬(かもくらべうま)京都市登録無形民俗文化財

  1. 代々この競馬に奉仕されている、市 聡顕(いち さとあき)さんのお話を頂けましたので紹介します。

    馬場について

    3月は全長200mの奥馬場(おくばんば)又は馬攻場(うませんば)と呼ばれる場所で練習をします。

    ここは上賀茂神社の北西に位置し、普段は柊野方面へ抜けるうら道のような形で地域の方々に利用されています。 元々は馬の稽古をする場所です。

    きりっと勝つ
    桐に掛けた後ろを向いて走る作法です。

    4月に入り曲水宴が終わるといよいよ本馬場(ほんばば)での練習となります。 本馬場は境内の一ノ鳥居から二ノ鳥居にかけての参道と平行に芝生の上に設けられ、 南から北に向かって馬を走らせます。

    杭を打ち、竹を渡し、周りにシバを巻くことからシバ埒といいます。 埒の横には、馬出の桜、鞭打ちの桜、見返りの桐、勝負のもみじが植えられています。 馬出の桜で馬を走らせ、鞭打ちの桜で鞭を打ち、勝負のもみじがゴールと言うわけで す。

    見返りの桐は1番の馬が後ろを見返る作法を行うため、「キリッと見返る」という掛詞 になっていす。

    距離は、馬出の桜から勝負のもみじまで、たった80mしかありません。 通常は馬出の桜よりも南から走らせますが、それでも もみじまで120mです。 観客から見える範囲は約250mです。

    賀茂悪罵流について

    くらべうまの乗り方は賀茂悪罵流(かもあくばりゅう)といいます。 元々の悪罵流は、例えば御所より献上された調教していない馬(一度も人を乗せたこ とのない馬)をその場で乗りこなすという、非常に高度な技の集積です。

    (この様子は賀茂祭(葵祭)の走馬神事に残っています。) 現在はそのようなことはありませんが、この秘伝の乗馬方法の一部を使用しています。

    現在のくらべうまと悪罵流について

    乗馬クラブでは、早足、駆足などの乗り方で走る事は一般的ですが、 全速力で馬を走らせることはあまり無いと言えます。一方、競馬場の馬は全速力で走りますが、周回コースになっていますので  ゴールした後も好きなだけ走ることができます。

    馬出しの桜
    馬出しの桜

    くらべうまでは1本の馬場の先は行き止まりになっていますので、 ゴールを過ぎれば直ちに馬を停止させる必要があります。  前述のとおりくらべうまは120mでゴールです。 この距離は現在使用しているサラブレッドにとっては助走区間のようなもので、 ここから速度が増します。さらに馬は元々競争好きな動物ですので、 競争中の馬を止めることは並大抵の事ではありません。

    この距離は現在使用しているサラブレッドにとっては助走区間のようなもので、ここから速度が増します。さらに馬は元々競争好きな動物ですので、競争中の馬を止めることは並大抵の事ではありません。

    悪罵流にはすぐに馬を停止させる技がありますが、これを使用するとサラブレッドは故障してしまいます。 ですので乗尻は馬がけがをしない程度に、しかも速やかに馬を停止させなければなりません。このような場面で、悪罵流の技が活かされています。

    代々競馬に奉仕されている、市 聡顕さんのご紹介

    代々上賀茂神社の神官をされていた社家のご長男で、小学生の時より 乗尻として奉仕されてます。乗尻とは今で言う騎手のことですが、ただ早く 走るための手綱さばきするのではなく、「賀茂悪馬流」という独特の馬術・ 調教法にて奉仕されます。普段はエンジニアとしてお勤めですが、ご奉仕のため 実家に帰り乗尻をされます。