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梅雨を過ぎ、7月に入れば京都では「祇園祭」一色になります。 祇園祭と言えば、17日の山鉾巡行や夜店が並ぶ14日〜16日の 4日間だけのイメージが強いですが、7月1日〜7月31日までが祇園祭です。
別名「鱧祭り」とも言われるほど、夏の京都に欠かせないご馳走が「鱧(はも)」 初夏に鱧寿司を持って挨拶まわりに行く習慣も京都には残っています。魚へんに豊と書いて「はも」と読みます。 小骨も栄養も豊富に有る事から鱧と書かれています。 交通や冷蔵技術が発達する前、夏に京の都まで海の魚を運ぶと腐ってしまったが、 鱧は生命力が強く鮮度を保てる貴重な鮮魚であった事から 海から遠い京の都で鱧料理が発展しました。
また、生命力が強く水から揚げても噛み付く力がある為、 「喰む(はむ)」が語源とも言われています。 貝塚から鱧の骨が出土されている事から、鱧は縄文時代には食されていたようだが、 骨切り技術が発達しだしたのは江戸中期以後とされています。
「鱧は、梅雨の水を飲んで美味しくなる」と言われ、 老化予防につながるコンドロイチンやビタミンA・カルシウムが豊富です。
運んだり店頭に並べる際に「つ」の字のように並んでいる事もそうですが、 「つ」の字にしておく方が鮮度を保てるからです。
上で書いたように鱧は大変骨の多い魚です 一寸(約3センチ)に24筋入れるのが一人前の仕事と言われていますが、 そんなこといちいち数えていたら仕事になりません・・・。
ずっしりと重たい骨切り(包丁)を、体重移動によってリズムよく軽快に前後させます。 味も見た目にも最上にするのは、ギリギリまで身を切りつつ皮一枚を残す技が求められます。
それゆえ「鱧料理は骨切りにあり」と思い、今の技術に甘んじる事なく、 骨切りをする際は、包丁の持ち方・目線など細かなところまで確認しつつ神経を集中して、 美味しく召し上がって頂く事を考えています。
どう猛な鱧を、洗練された京料理の逸品に昇華させるためには色々な工夫が必要です 以下に一部をご紹介させていただきます。

鱧の薄造り
骨切りの調理方法を使わない料理で、さしみ包丁で薄造りにした物です。
鱧を生で食べるのは珍しいが、噛むほどに鱧の旨みが口の中に広がる逸品です。

鱧の落とし
「冷水に落とす」・「一口程に切り落とす」が語源と言われ、鱧料理で一番最初に名前が挙がるほど鱧料理では代表的な逸品です。
淡白な分、さっぱりと口当たりも良く、夏の疲れた身体でも食べやすく食がすすみます。

吸い物 鱧の葛叩き
鱧に葛粉をまぶして調理するので葛叩きと言うが、俗に皆さんがおっしゃる「牡丹鱧」がこの葛叩きです。
「牡丹鱧」は、葛粉を使わずに調理する物ですが、食感や喉越しも良いので葛叩きが主流となっています。
ほほ肉は、頭の頬の部分で、小骨が多い鱧で唯一小骨が無く他の鱧料理とは違った食感で楽しめる。

焼き物 鱧源平焼き
創業当時から、追い足し・追い足ししたお醤油ベースのタレで焼いた付け焼きと、塩だけで鱧の旨みを引き出した塩焼き。

鱧珍味盛り合わせ
鱧は捨てる部分がほとんど無く、頭と骨は、出汁を取るのに使ったり、肝は、醤油焼きにします。
骨と皮もから揚げにすると、骨(サクサク)と皮(パリッ)の食感も違いが楽しめ、浮き袋も調理して食べることができます。
鱧の子の料理が有れば、鱧の白子の料理も有るのですが、ほとんど雌を使う事が多いので白子料理は希少です。